道路種別とは──不動産取引で知っておきたい基礎知識【2026-08-20更新】 | 事業用地・売倉庫・売工場の売買|オン・フォワード

  • 道路種別とは2026-08-20

    道路種別とは──不動産取引で知っておきたい基礎知識

    不動産の売買や賃貸を検討する際、「その土地に接する道路が何であるか」は非常に重要な要素です。
    道路の種別によって、建物の建て替えの可否、資産価値、将来の売却のしやすさまで大きく変わってきます。
    本コラムでは、建築基準法上の道路種別と、それぞれの違い・注意点をわかりやすく解説します。


    なぜ道路種別が重要なのか

    建築基準法では、原則として「幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地には、
    建物を建てることができない」というルール(接道義務)が定められています。

    つまり、目の前の道が建築基準法上の「道路」として認められていなければ、たとえ今建物が建っていても、将来建て替えができない、
    いわゆる「再建築不可物件」になってしまう可能性があります。
    物件を検討する際は、必ず接している道路の種別を確認する必要があります。


    道路種別の一覧と特徴

    道路種別は、すべて建築基準法第42条を根拠に区分されています。同条では、幅員4m以上の道路のうち、
    どのような成り立ちの道が「建築基準法上の道路」として扱われるかを号ごとに定めています。

     

    1. 建築基準法42条1項1号道路

    国道・都道府県道・市区町村道など、既存の公共道路がそのまま建築基準法上の道路として扱われる区分です。
    幅員4m以上あることが前提で、最も一般的で安心感のある道路種別です。

    ポイント:公道であるため管理が行き届いており、トラブルが少ない傾向にあります。


    2. 建築基準法42条1項2号道路

    都市計画法などに基づく開発行為によって造られ、建築基準法上の道路として扱われる区分です。
    宅地開発の際に新設された道路で、幅員4m以上が確保されています。

    ポイント:比較的新しい分譲地に多く見られます。
     

    3. 建築基準法42条1項3号道路(既存道路)

    建築基準法が施行された時点(昭和25年)ですでに存在していた、幅員4m以上の道路です。

    ポイント:古くからある道で、公道・私道どちらの場合もあります。
     

    4. 建築基準法42条1項4号道路(計画道路)

    2年以内に新設・変更されることが決まっている道路として、特定行政庁が指定したものです。

    ポイント:現況ではまだ完成していないケースがあるため、事前の確認が不可欠です。
     

    5. 建築基準法42条1項5号道路(位置指定道路)

    土地の所有者が申請し、特定行政庁から「道路」としての位置指定を受けた私道です。
    分譲地内の私道などに多く見られます。

     

    注意点:

    • 私道であるため、所有者・持分の確認が必須です。
    • 掘削や補修の際に、他の共有者の承諾が必要になる場合があります。
    • 将来的に通行料や維持管理費の負担を求められるケースもあります。


    6. 建築基準法42条2項道路(みなし道路)

    幅員4m未満であっても、建築基準法施行時点ですでに建物が立ち並んでいた道は、特定行政庁の指定により「道路とみなす」とされています。
    これがいわゆる「2項道路」です。

     

    注意点(重要):

    • 建て替えの際は、道路の中心線から2m後退(セットバック)して敷地境界とする必要があります。
    • セットバックした部分は自分の土地であっても建物や塀を建てることができず、実質的に敷地面積が減ることになります。
    • 向かい側の状況(崖地・水路など)によってはセットバックの基準が異なる場合があるため、個別確認が必要です。


    7. 建築基準法43条2項道路(43条但し書き道路)

    建築基準法上の「道路」には該当しないものの、建築審査会の同意を得て、特例的に建築が許可される通路です(農道や単なる空き地に近い通路など)。
     

    注意点:

    • 再建築のたびに個別審査・許可が必要になる場合があり、必ず再建築できるとは限りません
    • 住宅ローンの審査で不利に扱われることがあります。
    • 資産価値・流動性が低くなりやすいため、購入時は特に慎重な調査が必要です。


    公道と私道の違いにも注意

    道路種別とは別軸で、「公道」か「私道」かという区分も重要です。
     

    項目

    公道

    私道

    所有者

    国・地方公共団体

    個人・法人(複数人の場合も)

    維持管理

    行政が実施

    所有者が負担

    掘削・工事

    許可のみで対応可

    所有者全員の承諾が必要な場合あり

    トラブルリスク

    低い

    通行権・掘削承諾などで発生しやすい


    私道に接する物件を購入する場合は、通行掘削承諾書の有無や、私道の持分割合を必ず確認しましょう。


    まとめ:購入・売却前のチェックポイント

    • 接する道路が建築基準法上の「道路」に該当するか
    • 道路の種別(1号〜5号、2項道路、43条但し書きなど)
    • 公道か私道か、私道の場合は持分・承諾書の有無
    • セットバックの要否と、後退後の実質的な敷地面積
    • 再建築の可否(住宅ローンの可否にも直結)


    道路種別は専門的でわかりにくい分野ですが、資産価値や将来の建て替えに直結する重要なポイントです。
    物件検討の際は、役所の建築指導課などで「道路種別証明」を取得し、正確な情報を確認することをおすすめします。


    ページ作成日 2026-08-20

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